キョンってどんな動物?
キョンという動物をご存じでしょうか。
キョンはシカ科に分類されるシカの一種で、環境省指定の特定外来生物です。中国南東部や台湾に生息し、日本やイギリスに移入しています。
どんな生態なんでしょうか。
頭胴長約70〜80センチ、体高約40センチ、体重約10キロと、ニホンジカと比べてかなり小さく、愛くるしい目が特徴的。眼下腺が発達していて、これにより目が四つに見えることから、別名を「ヨツメジカ」とも呼ばれています。
濁った声で鳴くホエジカ属の一種で、常緑広葉樹や種実類などを好み、ニホンジカよりも良質な食物を選ぶ傾向があるとされる草食性の動物。嗜好種としてはアオキやカクレミノが知られています。単独で行動することが多く、それぞれになわばりを持っていることが分かっています。
引用元:マイナビ農業
眼が四つ…うーん、そうでしょうか。まぁそういうことにしておきましょう。
千葉県で爆発的に繁殖しているようです。
外来生物の増加は我が国固有の生態系をは破壊します。ニホンジカよりも良質な食物を選ぶというのはなかなか厄介なやつです。
草食動物とはいえ、シカだけでなく、クマやサルなど山に住む多くの動物の食物に影響を与えているとみていいでしょう。
最近は市街地での熊の出没情報も多く、山での食料難を引き起こしている原因なのかもしれません。
キョンの生息数と繁殖力
千葉県の2020年度の推計では、県内に生息するキョンの数は約5万300頭。2013年度の2万5000頭に比べて約2倍に増加しています。
引用元:NHK首都圏ナビ
生息域も、2004年度には勝浦市など南部の5市町に生息するだけとみられていましたが、2020年度は17市町にまで拡大。さらに、東京近郊の柏市でも目撃されるなど、徐々に都心部に迫ってきています。
えらい勢いで増えてますね。2022年度での生息数は7万頭を超えたようです。もう房総半島ではどこで出遭ってもおかしくないですね。
このままでは都心部にまで来る可能性も否定できません。奈良のシカは完全に人慣れしていますが、それでもたまに、突如暴走モードとなって蹴られて負傷者が出るなど被害が報道されています。
かわいい目をして、小柄、とはいえ油断はできません。
どうしてこんなに増えているのでしょうか。原因はいくつかあるようです。
異常繁殖する原因
- 繁殖力の高さ
キョンは早ければ生後半年程度で妊娠できるようになるため、1年に複数出産することもあるようです。生後半年って…異次元ですね。産まれてはまた産まれて、これでは駆除しても追いつかないわけです。
- 逃げ足の速さ
相次ぐキョンの被害に悩まされている千葉県いすみ市では猟友会の駆除隊がくくりわなを多く仕掛けているようですが、キョンは脚が細くイノシシやシカに比べて俊敏で、罠にかかっても逃げられることが多いそうです。捕まえようと思ってもなかなか捕まえられない。そんな側面もあるようです。
- 天敵がほぼいない
キョンの天敵は大型の肉食動物で、中国や台湾ではトラや豹などがいるため、繁殖が抑えられていますが、日本ではオオカミも絶滅しているので、天敵といえばクマくらいでしょうか。とはいえ、逃げ足の速さを考えると、クマでも一筋縄では行かず、キョンの生息数はクマのそれを大きく上回るため、これでは増える一方です。
キョンによる被害
キョンは住宅街に出没し、多くの畑で農作物を根こそぎ食い荒らしているようです。被害品目も多岐にわたり、水稲、豆類、イモ類、野菜類、果樹などは何でも食べ、鳴き声による騒音、フンなど生活環境への被害が住宅地でも確認されています。
【害獣対策】伊豆大島キャンパス
— 離島大学 (@rito_dai) June 2, 2019
伊豆大島には、たくさんの害獣がいます。🐒🦌🐤
早速トマトの苗がキョンに食べられてしまったので、地域の若者に、囲いを作ってもらいました。#伊豆大島 #キョン pic.twitter.com/MbKQBOmtMq
また、キョンは鳴き声がかなり独特で、愛らしい見た目とは裏腹に、ギャーギャーと不気味な鳴き声をしていることでも有名です。
ヒトと野生動物、共存といえど限界はあります。丹精込めて作った農作物を根こそぎ荒らされた農家さんのお気持ちは計り知れません。
少しでも早く効果的な駆除方法が見つかるといいですね。
コメント
以前、鹿や猪の肉を食べた事が有ります。鹿の刺身はなかなか上手く食べれたと記憶しております。繁殖力の多さを逆に利用して食用にしてみては? と、考えています。いかがでしょう?